「売れる商品」よりも「長く使いたい商品」を目指して|カードの鎧の商品開発
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「このスリーブ、次もまた選ぶだろうか」
ふとそんなことを考えたこと、ありませんか。
こんにちは。「カードの鎧」です。
前回は、「安価品との『境界線』をどこに引くか|私たちが安さで勝負しない理由」についてお話ししました。
今回のテーマは「長く使いたい商品」についてです。
正直に言えば、商品がたくさん売れることは、私たちにとってとても嬉しいことです。
それでも、一度買っていただくことだけをゴールにはしたくない。
使うたびに「これでよかった」と感じていただき、次にサプライを選ぶときにも、また私たちを思い出していただけること。それが、私たちの目指す先です。
今回は、そのために私たちが大切にしている考え方についてお話しします。
「売れること」と「選ばれ続けること」の違い
「売れること」と「選ばれ続けること」は、似ているようで違うものです。
新商品の発売や、目を引くパッケージ、期間限定の割引などがきっかけで、商品が一時的によく売れることはあります。
ですが、実際に使ってみて満足できなければ、次の購入にはつながりません。
一方で、派手な特徴がなくても、毎回安心して使えて、困ることが少ない商品は、日常のなかで自然に選ばれ続けていきます。
最初の購入では、パッケージや説明も判断材料になりますが、私たちが見ているのは、その先も選び続けてもらえるかどうかです。
壊れにくさだけではない、「長く使いたい商品」の条件
「長く使いたい商品」とは、壊れにくい商品だけを指す言葉ではありません。
カードサプライには、スリーブのような消耗品と、ローダーのような長期間使う商品があります。
スリーブのような消耗品では、交換のときにまた同じ商品を選びたいと思っていただけることも、「長く使いたい」の一つの形です。
私たちが「長く使いたい商品」と呼ぶとき、次のような要素をすべて含めて考えています。
- 使い始めたときの違和感の少なさ
- 使用目的に合った品質
- 商品説明と実物との差の少なさ
- 困ったときの相談のしやすさ

どれか一つが優れているだけでは足りません。これらが積み重なって初めて、「長く使いたい」と思っていただける商品になると考えています。
日常のなかの小さな使いやすさの積み重ね
日常的に使う商品では、大きな特徴よりも、小さな使いやすさの積み重ねが、使い続けたいという気持ちを左右します。
スリーブであれば、使い心地を左右するのは次のような点です。
- カードの入れやすさ
- シャッフルの感触
- 持ったときのまとまり
ローダーであれば、使い心地を左右するのは次のような点です。
- カードの収まり方
- 開閉のしやすさ
- 鑑賞時の見え方
- 保管のしやすさ
一つひとつは小さな違いですが、繰り返し使うほど、その差ははっきりと感じられるようになります。
こうした使い心地の違いは、購入した瞬間には気づきにくいものです。実際に使い続けていただくなかで、少しずつ見えてくるものだと思っています。
私たちは、派手さよりも、毎回の使いやすさを大切にしながら、商品づくりを続けています。
品質の安定が支える、次も選びたいという安心
品質が安定していることは、次も選びたいという安心につながります。
一度購入した商品に満足していただけても、次に購入した商品で品質が大きく違ってしまえば、安心して選び続けていただくことは難しくなります。
製造する以上、個体差をゼロにすることは簡単ではありません。それでも検品の基準を見直し、工場と情報を共有しながら、ばらつきを減らす努力を続けています。問題が起きたときには原因を確認し、再発を減らす仕組みづくりも行っています。

一回だけ良い商品を届けるのではなく、何度選んでいただいても同じように満足していただけること。それが、私たちが品質において目指している姿です。
品質だけでなく、伝え方や向き合い方も含めて、信頼を積み重ねていきたいと考えています。
「長く使いたい」を育てるお客様の声
メーカーが考える使いやすさと、実際に使う方が感じる使いやすさは、必ずしも一致するとは限りません。
商品を長く選んでいただけるものにするためには、発売後に届くレビューやお問い合わせから、実際の使用体験を学ぶことが欠かせません。
良い評価はもちろん励みになりますが、使いにくさや改善の要望も、次の商品づくりには欠かせない情報です。
寄せられた声を確認し、商品・検品・説明のどこを見直すべきかを考える。その積み重ねが、商品を少しずつ育てていきます。
実際に、寄せられたお声をきっかけに、検品で確認する項目や商品ページの説明を見直したことがあります。届いた声はひとつずつ確認し、同じような指摘がほかにもないかを整理しています。
売るために変えないもの、使い続けてもらうために変えるもの
ブランドとして大切にしていることには、変えないものと、変えていくものがあります。
変えないものには、次のようなものがあります。
- 品質を大切にする考え方
- 誤解を招く説明をしない姿勢
- カードを大切にする人へ向き合うこと
- 短期的な販売のために品質基準を下げないこと
これらは、商品の注目度や売上を高めるためだけに変えるつもりはありません。
一方で、次のようなものは、実際の使われ方に合わせてこれからも見直していきます。
- お客様が不便に感じている仕様
- 分かりにくい商品説明
- 検品の確認項目
- 梱包方法
- 問い合わせへの案内
変えないことが誠実とは限らず、変えることが必ず改善になるとも限りません。
誰のどんな困りごとを解決するのかを考えながら、判断を続けていきたいと思っています。
まとめ
商品が売れることは、私たちがブランドを続けていくために欠かせないことです。それでも私たちが本当に目指しているのは、一度買われて終わる商品ではありません。
この記事でお伝えしてきたことを、あらためて整理します。
-
最初の購入ではパッケージや説明も判断材料になり、次の購入を決めるのは実際に使った体験であること
- 「長く使いたい」とは、壊れにくさだけでなく、交換のときにまた選びたいと思えることも含むこと
- 日常の小さな使いやすさの積み重ねが、使い続けたいという気持ちにつながること
- 品質を安定させ続ける努力が、次も選びたいという安心を支えていること
- 寄せられた声に耳を傾けることが、商品を少しずつ育てていくこと
- 大切にする考え方は変えずに守りながら、使われ方に合わせて見直すべき部分は見直し続けること
皆さまが長く使い続けたいと思うカードサプライにも、それぞれの共通点があるはずです。
使うなかで感じたことを、これからの商品づくりにも生かしていきたいと思います。
これからの連載でも、普段は表に出ることのない私たちのこだわりや試行錯誤を、少しずつお伝えしていきます。
日常で繰り返し使うカードスリーブから、使い心地の違いを確かめてみたい方へ。